

2026.08.04
さあさあ皆さんお待たせいたしました!!!
北中米ワールドカップ現地レポート③の後半戦といきますか!
後半戦はもうサッカーの話を読む人が引くくらいめちゃくちゃ深いところまでお伝えしようと思います!
いやーすごい!すごいとしか言いようがない試合でした!!
ん?
めちゃくちゃ浅いって?
ここからですよー。
結論から言えば、この試合は「日本が前半に発見した構造的優位を、スウェーデンがハーフタイムに消し、日本がさらに別解を提示した」という、高度な修正合戦だったと思います!
しかしながら、終盤の守備やビルドの出口に苦戦を強いられてなんとか耐えた試合で課題が残る試合でした。
日本は前半、スウェーデンの守備陣形に生じる右ハーフスペースの構造的な空洞を伊藤洋輝の前進で攻略。スウェーデンは後半、アンソニー・エランガを中盤まで下げてその空間を閉鎖。すると日本は、左サイドへの固執をやめ、左右への揺さぶりと中央コンビネーションに攻撃ルートを変更し、その変更から前田大然の先制点を生み出すことに成功。
日本は第1戦でオランダと2-2、第2戦でチュニジアに4-0で勝利し、勝点4。スウェーデンはチュニジアに5-1で勝った一方、オランダに1-5で敗れ、勝点3で最終節を迎えました。日本は引き分け以上で突破が濃厚、スウェーデンは敗戦を避けたいという状況でした。最終的に日本はグループ2位、スウェーデンは3位で、両国がラウンド32へ進出。
この大会フォーマットでは上位2か国に加え、各組3位のうち成績上位8か国も突破できるため、従来のW杯最終節よりも、両チームにとって引き分けの価値が高い試合となったと感じました。
そのため、試合全体のテンポやリスク管理には、純粋な勝利追求だけでなく、大会状況を踏まえたゲーム・ステート管理が強く影響していました。
前半の最大のポイントは、日本がスウェーデンの右アウトサイドと右ハーフスペースの間を明確に狙っていたことです。
スウェーデンの非保持は5-2-3。
この構造では、エランガが日本の左センターバックへ強く出ると、
・エランガの背後
・右ウイングバックの前
・右センターバックの外側
・中央MFの横
に空間が生まれます。
この空間へ入ったのが、左センターバックの伊藤洋輝でした。
FIFAのテクニカル分析も、日本がエランガの背後と右ウイングバックの前に生じるスペースを狙い、伊藤を前進させて数的優位を作ったと指摘していましたね。
伊藤は通常の3バック左として、単に後方で配球するだけではありませんでした。
主に3つの前進方法を使っています。
中村敬斗が内側へ入り、伊藤が外を上がる。
判断を迫られます。
中村が幅を取ったまま、伊藤がその内側を前進。
この動きは特に効果的でした。
スウェーデンの中盤が中央を守り、エランガが前に残るため、その間に伊藤がフリーで侵入できたからです。
伊藤がパスだけでなく、自らボールを運んで相手前線を越える。
センターバックが運ぶことで、相手の2列目を前へ引き出せます。
すると、
・中村への外パス
・鎌田への縦パス
・前田へのライン間パス
・上田への斜めパス
が開きます。
これは1FCのプレーモデルでいう、まさにドライブによって相手を引きつけ、位置的・数的アドバンテージを作るプレーですね。
伊藤が高い位置まで出る場合、後方が2枚だけになると、イサク、ギェケレシュ、エランガのスピードに対して危険です。
そこで日本は、伊藤が前進した際に、
・板倉
・瀬古
・中盤1枚
を後方に残しました。
FIFAの分析でも、日本は伊藤が上がった際に、中盤1人を中央・右のセンターバックとともに残し、安定したレストディフェンスを維持していたとされており、
つまり保持時には、
攻撃参加:伊藤+中村+鎌田+前田+上田+堂安+菅原
レスト選手:瀬古+板倉+田中
という3枚の予防守備を確保していました。
これはスウェーデンの2トップまたは3トップに対して、最低でも同数、できれば3対2を作る考え方です。
日本が無謀に攻めていたのではなく、
前進するセンターバックと、後方を埋める中盤をセットで動かしていた点が重要です。
スウェーデンは日本のゴールキック時、マンツーマン色の強いプレスを行いました。
前線3人が日本の3バックを捕まえ、中盤2人が日本の中盤に対応。ウイングバックも高く出て、日本の左右の幅を制限しました。
ただし、このプレスには問題がありますよね。
エランガが伊藤へ出ていく際、伊藤が単純に自陣で待つのではなく、前方へ移動したため、スウェーデンの基準点がずれます。
エランガが追えば背後が空く。
追わなければ伊藤が前向きで持つ。
その二択を日本が作れていました。
鈴木を含めると、日本は第一ラインで4人になります。
スウェーデンが前線3枚で来る場合、日本はGKを含めて4対3。
このため鈴木から、
・中央への縦パス
・逆サイドへの展開
・ウイングバックへの中距離パス
・上田へのロングボール
を使い分けることができました。
ただし、日本は前半を通じて圧倒的にボールを進め続けたわけではなく、
スウェーデンの前線にはイサク、ギェケレシュ、エランガという強力な選手がいるため、日本側も不用意に中央へ刺すことを避け、局面によっては安全な循環を選んでいた印象でした。
この点が、前半がやや慎重で、決定機の少ない展開になった理由。前半の目立ったシュートは中村敬斗の一撃で、スウェーデンGKがセーブした場面ですね。
スウェーデンの5-2-3は、横幅を守りやすい一方で、中盤が2枚しかいません。
このため前線のウイングが戻らなければ、中盤横にスペースが生まれます。
特に日本のように、
・センターバックが持ち出す
・ウイングバックが幅を取る
・シャドーがハーフスペースに立つ
・中盤が背後を支える
チームに対しては、中盤2枚だけでは対応しにくい。
スウェーデンの右側では、RWG・RWB・CMF
この三角形の中央が空きやすく、そこへ伊藤が進入しました。
つまり日本は、個人技で突破したというより、
相手の守備ライン間の責任が曖昧になる場所へ、意図的に余剰選手を送り込んだと見るのが自然ですね。
日本は構造的には優位でしたが、前半の決定機は多くありませんでした。
理由は3つあります。
伊藤が前向きで持てても、その瞬間に、
・前田が背後を取る
・鎌田がライン間で前を向く
・中村が斜めに侵入する
という次のアクションが常に同期していたわけではありません。
相手を外した後に一度止まると、スウェーデンの5バックが戻ってしまいます。
上田が背負って収めた際、周囲との距離が遠い場面がありました。
上田がボールを落としても、次の選手がすぐに触れなければ、スウェーデンのセンターバックorボランチに再び寄せられます。
日本は引き分けでも突破できる状況でした。
したがって、センターバックを全員押し上げて波状攻撃を行うよりも、スウェーデンのカウンターを消しながら試合を進める判断をしました。
戦術的消極性というより、
大会状況に基づいたリスク最適化と見るべき。
後半、スウェーデンのグレアム・ポッター監督は重要な変更を行いました。
前半は右前方にいたエランガを一列下げ、中盤2枚の横に配置。
非保持を、
5-2-3
から
5-3-2
へ変更しました。
前半
FW FW エランガ
CM CM
WB CB CB CB WB
後半
イサク ギェケレシュ
CM CM エランガ
WB CB CB CB WB
この変更によって、伊藤が使っていたスペースが消えました。
伊藤が高い位置へ出ても、エランガが正面に立つため、前向きでボールを受けにくくなりました。
2センターでは守れなかった左右のハーフスペースを、3人で分担できるようになりました。
エランガは守備のためだけに下がったのではありません。
低い位置でボールを奪った後、自らドリブルで前進できるため、スウェーデンのトランジションにもつながります。
FIFAの分析では、後半の伊藤は前半ほどファイナルサードで受けられず、中盤付近でのレシーブが増えたとされています。
ここがポッターの修正の核心です。
伊藤を完全に消したというより、
伊藤が危険な高さでボールを受けることを消し、シャドーエリアへの配給を無くすこと、さらにはポジティブトランジションで前向きなドライブとドリブルで日本に押し込まれる構図を逆転させたと考えるべきです。
スウェーデンが左サイドを閉じた後、日本は同じ攻撃を繰り返しませんでした。
ここがこの試合における日本の最も高く評価できる部分です。
日本は、
という攻撃へ変更。
これはベンチからの指示というより中の選手たちがそれとなく修正をしたという印象。
FIFAは、日本が左にスペースを見つけられなくなった後、右ウイングバックで幅を作り、前線3枚のローテーションとサイドチェンジによって中央を開けたと分析しています。
先制点は前田大然。
流れは非常に象徴的で、美しいものでしたね。
堂安、上田、前田の中央コンビネーションから生まれた得点。
この得点は、単なるスルーパスではありません。
上田がセンターバックを背負ってボールを保持。
ここで無理に反転せず、堂安へレイオフ。
上田が下がることで、相手センターバックの意識も前方向へ引かれます。
堂安は上田の近くへ入り、レイオフを前向きで受けられる位置を取りました。
重要なのは、堂安が最初からボールを受けるために止まっていたのではなく、
上田へパスが入るタイミングで前向きのサポート位置へ移動した
ことです。
前田は上田に近づいて足元で受けるのではなく、上田が下りたことで空いた最終ライン背後へ走りました。
つまり、
という3層構造です。
奥:前田 → 背後
中:堂安 → 前向き
手前:上田 → ポスト
これは非常に整理された、深さを使った裏の3人目攻撃でした。
まさに1FCが取り組んできた理想の崩しでしたね!
日本の先制から約6分後、エランガが同点ゴールを決めましたね。
流れは、
1ギェケレシュが右方向へ流れる
2田中碧をボールサイドへ引き出す
3エランガが内側へ持ち出す
4日本の中盤前方にシュートコースが生まれる
5エランガがカットインからミドルシュート
でした。
失点はエランガの個人能力による部分が大きいですが、構造的に見ると改善点があったと思います。
ギェケレシュはボールに触るためだけではなく、田中を中央から動かすために流れる。
田中がついていくことで、日本の中央前方にスペースができる。
エランガが右から内側へ運んだ際、日本の守備者は、
・縦突破を切るのか
・シュートを切るのか
・パスコースを管理するのか
の判断が曖昧になり、
結果として、エランガに得意な形でシュートを打たせていた。
田中がボールサイドへ出たなら、鎌田または近くのセンターバックが中央を早く埋める必要があります。
ただし、センターバックが前へ出すぎると、イサクへの縦パスやボックス内で背後を奪われる可能性が生まれます。
日本はそこで一瞬、ライン間を閉じるよりも最終ラインを守る判断をしました。
その一瞬をエランガに利用されたとみるべき。
ギェケレシュは得点やアシストこそありませんでしたが、スウェーデンの攻撃では非常に重要でした。
GOコーチはギェケレシュが一番やっかいで最も良かったと思いました。
ポッター監督も、背負った状態でプレーするセンターフォワードとしての働きを高く評価しています。
主な役割は、
・日本のセンターバックとのフィジカルコンタクト
・ロングボールのターゲット
・セカンドボールの基点
・サイドへ流れて中盤を動かす
・エランガ、イサクのためにスペースを作る
ことでした。
特に同点ゴールでは、自分がボールを受けて決定的なプレーをするのではなく、田中を外へ引きつけ、エランガの内側へのルートを作っています。
これはデコイランにより、ボール保持を伴うスペースメイクが完成された結果です。
あ、ごめんなさい。
すっかりプロ目線で話過ぎましたね。。
もはやブログではなくなっていました(笑)
いつかまた、ブラジルに敗れた根本的な原因は話せたらと思いますー。
ってことで現地で肌で感じたスウェーデン戦の分析でした!!
最後に、日本が劣勢になった後のスタジアムの声援が凄まじかったです。
これは映像では絶対に少しも伝わらないと思いました。
震えて涙しそうになりましたね。
日本で開催されている以上の声援と後押しでした。
素晴らしかったです。
最後に北中米ワールドカップ現地レポート③のハイライトをどうぞ!!

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